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北朝鮮「湧き水」ビジネスを舞台に繰り広げられた詐欺事件 (1/2ページ)

 北朝鮮を訪れた外国人観光客が利用する商店では、複数のブランドのミネラルウォーターが販売されている。中でもいちばん高級なのが江西(カンソ)薬水だ。

 首都・平壌の郊外にある江西郡で産出される天然の鉱泉水で、消化器に良いとされ、北朝鮮の宝物56号に指定されている。韓国にも2003年から輸入販売されていたが、南北関係の悪化を受け、2008年に輸入が中断した。

 この江西薬水以外にも、北朝鮮には様々な名水が存在する。そのひとつが、平安北道(ピョンアンブクト)東倉(トンチャン)郡大洞里(テドンリ)の湧き水だ。この水を不当な高値で販売し、利益を着服していた療養所の所長が解任されたと、平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

 薬水閣東倉療養所は、湧き水を10リットル600北朝鮮ウォン(約10円)という国定価格で販売することになっていたが、急性腎盂腎炎、慢性胃炎、胃潰瘍、慢性胃潰瘍に効能がある弱酸性成分の水だという国家科学院の検査結果が昨年発表され、人気が急上昇。

 (参考記事:「昭和天皇も飲んだ」北朝鮮が熱を上げるミネラルウォーター商売

 これをビジネスチャンスと見たのだろう。療養所のクォン所長は運営資金を賄うため、郡内の他の村の住民や他の地方からやってきた人に、国定価格より13倍も高い10リットル8000北朝鮮ウォン(約130円)で販売することにした。

 国からの予算が配分されず、自力更生を求められている北朝鮮の機関、工場、企業所は様々な形で収入を確保している。有給設備をトンジュ(金主、新興富裕層)に貸し出したり、運送業を営むために車両の登録をする人に名義貸しを行なったりなど、手法は様々だ。

 (参考記事:北朝鮮の個人運送業、資金源は脱北して韓国に住む家族

デイリーNKジャパン

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