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日米首脳会談の同日に岸防衛相が与那国島訪問 台湾外相も「友人」歓迎、台湾死守への決意か

 菅義偉首相と、ジョー・バイデン大統領は16日(日本時間17日)、初めて対面で日米首脳会談を行った。共同声明に、「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す」と明記されたが、中国への牽制(けんせい)はそれだけではない。首脳会談に合わせるように、岸信夫防衛相は17日、台湾を望める日本最西端、沖縄県・与那国島を訪れ、台湾もそれを歓迎したのだ。

 岸氏は17日、陸上自衛隊与那国駐屯地を訪れ、艦船や飛行機をレーダーで24時間監視している沿岸監視隊の活動を視察した。隊員ら約50人を前に、「中国は南西海空域での活動を活発化させている。諸君は国境防衛の最前線で重要な役割を果たしており、日々の任務にさらに精励してほしい」と訓示した。

 同島は、台湾から約110キロの距離にあり、晴れた日には見えるという。中国による領海侵入が続く沖縄県・尖閣諸島にも近い。与那国駐屯地は2016年、南西諸島の防衛強化の一環で発足した。

 岸氏は視察後、記者団に「台湾の近さを再認識した。南西地域の防衛強化は極めて重要な課題であり、着実に進めたい」と語った。自身のツイッターでは、隊員から説明を受け、台湾方向を眺める様子の写真とともに「曇りのため台湾は見えず」と投稿した。

 日米首脳会談に合わせたような“計画的訪問”に、台湾の呉ショウ燮外交部長(外相)は外交部のツイッターを通して、岸氏のツイートをリツイートした。「友人」と表現し、感謝を述べるとともに「曇りや新型コロナウイルスが日本との友情を妨げることはない」とも投稿した。

 ちなみに、首脳会談で「台湾」について明記されたことを受け、在米中国大使館の報道官は「強烈な不満と断固とした反対」を表明した。

 今回の、岸氏の与那国島訪問や、日台エールをどう見るか。

 中国出身の評論家、石平氏は「中国メディアの反応をみる限り、日米首脳会談への反発はそれほど大きくない。もはや『日米の行動は止まらない』と思っているのではないか。共同声明に『台湾』を明記したのは、『台湾を守る』という決意表明であり、非常に大きな意義があった。岸氏の与那国島訪問は、抽象的な表現が多かった共同声明を具現化したものといえ、中国に効果があるだけでなく、米国と台湾にも日本の決意をアピールした」と評価した。

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