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【勝負師たちの系譜】いよいよ開幕2カ月遅れの名人戦 勝負は冷静さ取り戻した方が勝利に近づく (1/2ページ)

 昨年はコロナの影響で開始が2カ月遅れた名人戦だが、今年はまだ影響はあるものの、予定通り4月7、8日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で第1局が始まった。今期は渡辺明名人に斎藤慎太郎八段が挑戦するシリーズで、斎藤はA級順位戦初参加ながら、8勝1敗の成績で挑戦権を掴んだ。

 斎藤は『西の王子』と言われるイケメンで、女性ファンには絶大な人気がある。女性ファン獲得のために私は理事の時代、「ずっと独身でいたら、独身手当を払うから」と冗談で言ったことがあるが、満更でもない顔をしていた。

 渡辺にしたら、初の名人奪取が決まったのは昨年の8月末である。わずか7カ月の名人在位での防衛戦だから、これで敗れれば、歴代最短名人の記録を作る可能性があるだけに、何としてもこのシリーズは譲れないところであろう。

 第1局は振り駒で斎藤の先手となり、矢倉戦に誘導。対して渡辺は銀矢倉に組み直し、穴熊にして先手の攻めを待つ。

 この矢倉で穴熊という指し方は、昔はなかった発想で、渡辺の感覚の新しさだ。この陣形を攻めた斎藤は、渡辺の巧妙な反撃にあい、一遍に形勢を損ねてしまう。

 終盤の入り口では、穴熊の勝ちパターンである、堅い、攻めてる、切れないという局面となり、一気に渡辺が勝つだろうという予測だった。

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