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【高橋洋一 日本の解き方】奇妙な3度目の緊急事態宣言 ワクチンの遅れや五輪危機はマスコミが騒いでいるだけだ (2/2ページ)

 それにしても、新型コロナでのマスコミのあおりはひどい。日本のワクチン接種が遅れている理由は「厚生労働省が副反応の責任を取りたくなくて及び腰だったから」とか、「この状況では東京五輪どころでない」といった意見も少なくない。

 だが、これはミスリーディングだ。日本のワクチン接種率は世界の中でも低いが、それは日本の感染率が低いからだ。感染の度合いを加味して順位を出すと世界の中で平均的になる。

 ワクチンの供給は原則として感染がひどい国・地域から行われている。データ入手可能な世界84カ国で、日本は71位と下位であるが、感染の度合いを加味すると、日本は45位だ。感染が少ないのに、人口の多い日本がワクチンを大量に集めたら、世界から批判を受けてしまうだろう。一刻も早くワクチンを確保してもらいたいのが人情だが、カネにものを言わせず、ワクチン格差に加担しないのは、奥ゆかしい日本らしいスタンスとの見方も可能だ。

 メディアがワクチンの副反応をあおっておいて、「厚労省が及び腰」というのはまさにあおりの典型だ。それを言うなら、マスコミがワクチン副反応をあおったために、日本では集団接種ができなくなって、今回自治体にノウハウがなく困っていると正確に伝えるべきだ。

 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が、日本の緊急事態宣言は、感染拡大予防のための措置で五輪の開催に関係ないと言ったのも当然だ。(内閣官房参与・嘉悦大教授、高橋洋一)

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