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困ったときの自衛隊頼み 優先接種の医療従事者はどこに…GW中に接種するのは1割程度!? ワクチン大規模接種に医官活用へ

 政府は、新型コロナウイルスのワクチン接種について、東京や大阪に自治体とは別の大規模な接種会場を設置する方向で調整している。早ければ5月に承認される見通しの米モデルナ製ワクチンに限定して使う意向という。医師の資格を持つ「自衛隊医官」の活用を検討しているというが、ワクチンを優先接種している医療従事者(約480万人)はどうしたのか。また、困ったときの「自衛隊頼み」か?

 

 政府が調整しているのは、1日1万人規模の対応を可能とする大規模接種だ。予防接種法に基づき、会場設置や医師の手配などを自治体に委ねていたが、他の先進国と比べて遅れているワクチン接種の加速を狙う。

 こうしたなか、人材確保のため、横浜での大型クルーズ船対応や、大阪や北海道での医師不足対応に災害派遣された自衛隊医官に再び白羽の矢が立ちそうだという。

 ただ、防衛省によると医官は約960人(2020年3月31日現在、歯科医官を含む)。「2020年版防衛白書」には、「医官の充足率は年々改善傾向にあるものの、9割に満たない状況である」とある。

 国防ジャーナリストの小笠原理恵氏は「ウイルスと国家の“戦争”に、医官を派遣することは間違いではない。ただ、こうした有事に備えて、日ごろから予算と人員を拡充しておくべきだ。自衛隊病院を5つも廃止している状況であり、虫が良すぎる気がする。少ない医官を活用するのであれば、迷彩服で活躍する姿を国民に広報する必要もある」と語った。

 厚労省によると、すでに優先接種対象となった医療従事者の3分の1が1回目の接種を終え、5月前半には2回接種分の供給を完了する見込みという。

 元通産官僚で評論家の八幡和郎氏は「日本医師会は、接種を終了した医療従事者を、どんどん自治体のワクチン会場に派遣しなければ、国民から『一体、何のために優先接種対象にしたのか』と疑問を持たれる。『ゴールデンウイーク中に接種するのは(高齢者の接種を実施する自治体の)1割程度』という報道もあった。一方、国民は行動を制限させられるというチグハグな状況が生まれている」と語っている。

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