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【高橋洋一 日本の解き方】温室効果ガス削減の実態は国際政治のアピール合戦だ 日本は小型原子炉が鍵握る (2/2ページ)

 こうした状況を良い悪いと言っても仕方なく、各国の虚々実々の駆け引きであると認識した上で、何が国益になっているかをリアルにみたほうがいい。

 温暖化とマスコミはあおるが、このような国際政治の話は政策担当者であれば常識だ。また各国ともに、目標としても再生エネルギーはせいぜい5割程度なので、残りは火力と原子力だ。

 火力はCO2を回収せざるを得ず、それほど比率を高めることができないので、原子力がカギを握る。とりわけ、小型原子炉の開発がポイントだ。現在の原発の主流である軽水炉の出力が1基当たり100万キロワット程度なのに対し、小型原子炉は3万キロワット以下と小さく常温冷却可能で安全性は従来のものより高い。

 小型原子炉では、日本企業で日立製作所が米ゼネラル・エレクトリック(GE)と開発を進めているが、まだ国内で実用化されていない。しかし、産業界では、関西電力が小型原子炉を検討することを表明している。

 日米首脳会談により、「日米気候パートナーシップ」を立ち上げたが、その中で、「革新原子力」(advanced nuclear power)が盛り込まれた。日米原子力協定では、日本は非核保有国のうち唯一、再処理が可能になっている国だ。これは油田1個分のエネルギー確保になる。日本はこの利点を生かしつつ、気候変動問題に対処するのが国益になる。 (内閣官房参与・嘉悦大教授、高橋洋一)

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