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【日本の元気 山根一眞】アンドレ・リュウの音楽に教わる高齢者の生きる喜び (1/2ページ)

 65歳以上の高齢者は日本の人口の約3割。その世代向けに、死に備える身辺整理や自宅処分法、ひとり死の勧め、遺言書のノウハウといった情報があふれるようになった。必須情報だが、一方それは、「死に待ち」しかない鬱屈とした日々を強いているように思えてならない。

 高齢者には、わくわくするような感動の日々などもうないぞ、と言われているようで気がめいるが、「それは違うぞ!」とぶん殴られたような感動を覚えたのがオランダの音楽家、アンドレ・リュウ(1949年生まれ)のライブ演奏動画だった。

 彼はオランダ・マーストリヒト出身のバイオリニストで、ヨハン・シュトラウス・オーケストラを率いるライブ演奏での観客動員数はすでに300万人以上。「ワルツの王」と呼ばれ、欧州では圧倒的な人気を誇る。私はその活動を知らなかったが、最近、YouTubeでそのライブ動画を見て、血わき肉躍る思いで深夜にひとり踊り出してしまうほどだった。

 公演は主に欧州各国で行われている。お城風の圧巻ステージが設営されたマーストリヒト市のフライトホフ広場でのライブは数日間続き、街中がアンドレ・リュウの熱気に包まれるという(コロナ禍で休止中だが、いずれ行きたい!)。

 私は大学時代に管弦楽部に所属していたが、クラシック音楽でアリーナに時に数万人を集める音楽家など前代未聞だ。ワルツが中心で150人もの踊り手が客席の間で舞う姿も初見。ぜひ、YouTubeで「Andre Rieu」と検索し視聴してほしい。

 レパートリーは広く、イタリア・オペラ、ハンガリー、スコットランド、ロシアなどのポピュラー曲、映画のテーマ音楽、ルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」、賛美歌や国歌まで出てくる。映像クリップではその演奏とダンスを楽しむ喜びに満ちた表情の聴衆の姿も捉えており、演奏中に感極まって抱き合ったりダンスを始めるカップルもある。

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