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【高橋洋一 日本の解き方】2021年後半の景気回復実現へ“財政と金融の発動”が必要だ 5月中旬に補正予算準備を (2/2ページ)

 前述の日本経済研究センターの予測でも、2021年の失業率は3%を超えている。インフレ率も7~9月にはプラスになるが、それでも21年内には1%にも達しないとしている。

 景気変動からみると、直前の景気の「山」は18年10月(政府暫定見解)だ。その後の「谷」がいつなのか正式見解はないが、20年5月だろうと多くのエコノミストは思っている。その意味で、最悪期の「谷」はすでに越えており、今は「景気回復」の途上だといえる。

 しかし、今年1~3月期、4~6月期の経済状況についてそう見るべきだろうか。筆者は判断の基準を雇用状況に置いている。マクロ経済政策において最優先すべきは雇用であるからだ。雇用を達成した上で、給料が上がれば満点という立場だ。

 その立場からみると、失業率3%台というのは満足できない。せめて2%台を目指すべきだろう。そのためには、財政政策と金融政策を発動すればいい。幸か不幸かインフレ目標2%にも達しないような状況であるので、同時発動してもインフレ目標を大きく超えることはないだろう。

 しかも、国債発行による財政出動と、日銀による国債購入による金融緩和の同時発動により、財政負担がないものとできる余地がある。

 1~3月期と4~6月期の経済停滞が見えている。内閣府試算でもGDPギャップは20兆円程度はあるだろう。5月の1~3月期GDP速報値発表と前後して補正予算を準備すべきだ。

 そうしたマクロ経済政策、さらに東京五輪・パラリンピックの開催、国民へのワクチン接種がかなりの程度整えば、年後半には良い経済状況になるだろう。(内閣官房参与・嘉悦大教授、高橋洋一)

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