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【日本の元気 山根一眞】マスクは“他人への思いやりとメッセージ” 電車でつけてない人が一人としていないのはすごい (1/2ページ)

 新型コロナの拡大を受け3度目の緊急事態宣言に入った直後、テレビの取材に答える飲食店の女性オーナーが「もう限界です」と涙をぬぐっていた。前回の緊急事態宣言の際の「協力金もまだ受け取っていないです」とも。今回は涙をにじませながら声を詰まらせているオーナーが目立ち、やりきれない思いだ。協力金が支払われたのは20%にすぎないという報告もある。

 自治体の事務処理が追いついていないからだろうが、自治体職員たちがどんな苦労を続けているかはほとんど伝えられていない。コロナ禍が始まってすでに1年、消耗と過労の日々を送っているはずだが、感染者数が多い自治体がなぜ感染者数の少ない他自治体や民間の協力を得ないままなのか。

 東日本大震災の際、東北の各県、市町村には、西日本の自治体職員が被災証明などの事務処理の応援をしたという貴重な前例もある。

 しかし、地震や風水害などの自然災害は「地域・期間限定」だが、新型コロナは「日本全地域で期間継続」。「被被災地」が「被災地」を支援応援するという関係は成り立たないのだと気付いた。ボランティア支援も成り立たないのが、コロナ禍なのだ。

 つまり、日本だけでも死者1万人を突破した“巨大災害”ともいえるコロナ禍への対処は、治療薬もなくワクチン接種も遅々として進まない現状では、私たち一人一人が「感染しない・させない」と気をつけるしかない。

 私は夜遅く、犬の散歩をするが、人通りのない住宅街でごくたまにすれ違う人も皆マスクをしていることに感銘している。私たちは感染防止の効果あるなしにかかわらず、「新型コロナに気をつけています」というメッセージとしてマスクをつけるようになったのだ。

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