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【高橋洋一 日本の解き方】日銀の目標阻んだ消費増税 コロナショックが追い打ちも…より重要な雇用改善は実現 (1/2ページ)

 日銀は2021年度の物価見通しを引き下げ、黒田東彦(はるひこ)総裁の任期中のインフレ目標2%の達成は難しくなったと報じられている。

 インフレ目標2%の達成ができないことについて、面白い「解説」がある。4月28日の枝野幸男・立憲民主党代表が好例だ。枝野氏は「金融緩和の意味は、潜在的需要が存在しているのが前提」とし、「そもそも潜在的需要が存在していない」と言った。理由として「安心できる老後の医療や介護サービスや安心できる子育てサービスという需要のあることが提供されていないのが一つ、もう一つは、需要側にそもそも潜在的購買力が存在していない」と述べた。

 かつて「金利を高めた方が経済成長する」という独自の説を展開した枝野氏らしく、「需要がない」と言いながら「需要があるところに供給がない」(それならその分野の価格は猛烈に高まるはず)と語るなど支離滅裂だ。

 データを見てみよう。インフレ率を消費者物価(生鮮食品を除く総合)の対前年比同月比で、消費増税などの表面的なかさ上げを除去して黒田総裁就任後の2013年4月からみると、14年5月に1・4%増まで急上昇し、第1のピークを迎えるが、その後下落して16年3月の1・0%減が第1のボトムとなった。その後緩やかに上昇し、18年2月の1・0%増が第2のピーク、20年12月の1・1%減が第2のボトムで、今は上昇中である。

 もっとも、4月27日に公表された日銀の経済・物価情勢の展望では、インフレ率の見通しについて、政策委員見通しの中央値で21年度が0・1%、22年度が0・8%で、黒田総裁の2期目最後となる23年3月の2%の達成は困難だ。

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