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【高橋洋一 日本の解き方】日本はなぜ憲法改正が進まないのか 主要国で最も高い難易度、コロナでも有事対応ない実情 (1/2ページ)

 憲法改正論議について、緊急事態条項が注目されている。

 新型コロナウイルスへの対応は、世界では有事対応が常識だ。今でこそ新型コロナの性質などがある程度解明され、致死率が年齢ごとに異なることや対処法なども分かりつつある。ワクチンも感染のひどい地域では行き渡り、一定の効果を上げてきた。しかし、当初は全く未知のウイルスであり、まさに外敵に侵入されるままだった。

 初期の時点では、世界の普通の国は有事対応であり、非常事態宣言(戒厳令)を行い、個人の私権制限、水際での鎖国封鎖、国内での都市封鎖(ロックダウン)を実行した。もっとも国によっては戒厳令を出しつつも、行政の不手際で鎖国封鎖に失敗した国もあった。

 各国における個人に対する行動制限の度合いは、オックスフォード大学が「厳格化指数」として公表している。これは、151カ国を対象に、政府が取った政策措置の厳格さを17項目についてスコア化したものである。

 日本の場合、先進国やアジア内でも最低レベルだ。その理由は、平時に憲法改正して緊急事態条項を盛り込むことすら議論できなかったので、有事の対応ができなかったからだ。新型コロナ特措法でも、一般人に対する強制措置はない。通常の民主主義国でも、憲法で非常事態条項があり、一般人の行動も強制的に規制でき、その担保として一般人に対する罰則もあるのと大違いだ。

 しかし、現実問題として憲法改正のハードルは高い。諸外国の憲法改正要件でみると、(1)通常の法律の成立要件と同じ(軟性憲法)(2)通常の法律の成立要件に加重(硬性憲法)がある。主要国では、(1)は英国、イスラエル、ニュージーランドくらいで、(2)が多い。

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