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【高橋洋一 日本の解き方】「消費税率19%」まで引き上げが必要との試算が出るが…国の財政は悪くなっていない 増税などの緊縮議論は“不要”だ (1/2ページ)

 経済同友会が経済成長や財政状況の2050年度までの試算と提言をまとめた。そこでは公的債務残高が国内総生産(GDP)に占める比率を縮小させるには、消費税率を段階的に19%まで引き上げる必要があると指摘した。また、コロナ対策による債務については「現在世代」で負担すべきだとしている。

 本コラムで何度も繰り返して説明しているが、財政状況を理解するには資産と負債を示すバランスシート(貸借対照表)をみる必要がある。なぜ、負債(債務)だけを取り出して財政の議論をするのか、正直なところ筆者には理解できない。

 今回のコロナ対策は、日本政府の広義のバランスシートをみれば、資産を加味したネット債務残高を増加させないため、財政状況を悪化させるものではない。財政状況が悪くなっていないので、増税などの対応は、無駄であるばかりか、有害になる。

 筆者の出身である財務省(旧大蔵省)は、財政キャンペーンのとき、債務の大きさだけを説明していたが、役人時代の筆者はそれに疑問を呈し、バランスシートで説明すべきだと内部で主張していた。

 大蔵省の役人として財政投融資を担当していたとき、資産負債総合管理(ALM)の必要性が出てきて、筆者はALMシステム作成の指示を受けた。

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