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WHO総会が台湾排除、無責任さと問われる存在意義 中国のなりふり構わぬ反対が背景に

 24日、オンライン形式で開幕した世界保健機関(WHO)の年次総会で、非加盟の台湾のオブザーバー参加は中国の反対で認められなかった。台湾の参加は2017年から5年連続で実現しなかった。中国から広がった新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)だが、習近平政権の身勝手ぶりとWHOの無責任さが目立った。

 先進7カ国(G7)外相会合が今月5日、共同声明で台湾の参加支持を表明したが、総会の議長は「議題に含めない」と明言。中国や、中国を支持する途上国の反対があったためとみられる。台湾側は「厳正な不満と抗議」を表明した。

 台湾は蔡英文政権が発足した翌年の17年から「一つの中国」原則を掲げる中国の反対で、WHO総会へのオブザーバー参加が認められなくなった。習政権が「台湾独立」派とみなす蔡政権への圧力を強めていることが背景にある。

 台湾は中国の妨害で新型コロナワクチン確保にも苦しんでいる。中国で対台湾政策を主管する国務院(政府)台湾事務弁公室の報道官は、台湾にワクチンを提供する用意があるとの構えを示す一方、「当面の急務は、人為的な政治的障害を排除することだ」と蔡政権を牽制(けんせい)した。

 コロナ対策で実績のある台湾がWHOから排除されたことで、台湾の知見を加盟国が円滑に共有する機会が失われた。WHOの存在意義も改めて問われている。

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