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【高橋洋一 日本の解き方】ワクチン巡り問われている野党とメディアの存在意義 批判ありきで中身の議論なし (1/2ページ)

 新型コロナワクチンの接種が本格化している。ワクチンをめぐっては、野党からは当初、治験を含めて慎重な実施を求める声が主流だったが、いまになって日本の接種が遅れていると批判している。メディアも以前か危険性を強調する報道が多く、現状でも余った分の接種や予約の問題など重箱の隅をつつく報道が多い。こうした姿勢が公衆衛生や防疫に資するだろうか。

 一般論として、ワクチンは各種の疾病の抑制に効果が大きい。実施にあたっては副反応のリスクと効果のメリットのバランスを比較考量すべきだが、メリットが大きければワクチン使用の社会的な意義は十分にある。

 日本は1994年の予防接種法改正で、ワクチンはそれまでの義務接種から任意接種に変更された。その結果、日本は他の先進国と比較してワクチンを打たない「ワクチンギャップ」の国として批判されている。

 海外生活を経験した人なら分かるが、特に90年以降に生まれた日本人は国内でのワクチン接種が少ないので、海外生活する際、大量のワクチン接種が義務付けられる。こうしたワクチン政策の変更は、副反応を過度に強調したメディアの報道によるところも大きいと筆者は思っている。

 実は、リスクだけを過度に強調する報道はワクチンに限らない。原発や金融緩和政策などでも同じ傾向である。副作用のリスクを気にして、原発をやめるべきだ、金融緩和すべきではないと主張するが、やめた場合のリスクやコストも同時に考え、両者を比較考量しなければならない。副作用のリスクのみで政策を判断するのは間違いだ。

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