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【高橋洋一 日本の解き方】超富裕層が“超節税”できるワケ 創業経営者には有利な仕組み…保有株式の物納が唯一の解だ (2/2ページ)

 こうした「節税」は株式で未実現益に課税されず、実現益の段階でしか課税できないという徴税技術に基づく。これは世界のほとんどの国で同じ制度だ。というのは、未実現益の段階で課税すると、納税のための資金がないという議論になる。また、未実現損をどのように通算するかという徴税技術の問題もある。となると、いずれ実現益になるのだから、その段階で課税するという現在の制度になるわけだ。

 米国で行われている議論も、実現益の段階で、多段階税率にして最高税率を高くするといった程度だ。もっとも、この方法では富裕層の納税額は大して増えないのは明らかだ。

 富裕層から見れば、資産に対して実現益の段階で税を払うのだから問題はなく、実現益の前に税を払うのは無理だという主張だ。

 一方、庶民から見れば資産があるのだからすぐ税金を払えとなる。

 両者の意見はこれまでかみ合わなかったが、筆者が考えるに、一つだけ妥協解がある。

 それは、富裕層が保有株式の一部を税とし物納することだ。これは未実現益なので、税率は実現益の場合より低くする必要がある。

 ただし、これを実際にやっている国はなく、いずれにしても、未実現益課税は超難問だ。となると、未実現益はいずれ実現益になるのだから、富裕層の資産が社会に対して貢献している点も見てくれとの意見も傾聴に値する。実際、富裕層は自己資産によって社会貢献基金を作ることもしばしばだ。納税のように政府経由でなく、自らが社会貢献しているからいいという論理だといえる。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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