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【米中激突】台湾を中心に米中“半導体争奪戦”勃発 バイデン政権「対中攻撃部隊」を編成、中国が一番痛いサプライチェーン“締め上げ”へ (2/2ページ)

 世界の半導体の大部分は、東アジアで製造されている。半導体の生産シェアを2020年度の米国半導体工業会の調査でみれば、台湾(22%)、韓国(21%)、日本(15%)、中国(15%)、米国(12%)となり、米中の半導体争奪戦が行われている。中国の半導体生産能力は30年には24%と、世界最大になると見積もられている。

 現在、世界最大手「台湾積体電路製造(TSMC)」などの半導体ファウンドリは台湾に集中する。これまで米国企業は半導体生産に力を入れるより、効率の良い設計・開発を行った。その結果、1990年代以降のIT革命と米国経済の成長を支えたが、米国のIT企業は生産面でTSMCへの依存度を高めた。

 従って、世界経済への半導体供給地としての台湾をめぐる地政学リスクは一段と高まっている。現在は「台湾を制するものが、デジタル化社会を制する」状況となった。それを反映したように、今回のG7の共同宣言では「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す」と、初めて台湾海峡の危機を盛り込んだのである。

 ■川上高司(かわかみ・たかし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1955年、熊本県生まれ。大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースクール外交政策研究所研究員、中曽根世界平和研究所研究員、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部教授などを経て現職。著書・共著に『トランプ後の世界秩序』(東洋経済新報社)、『2021年パワーポリテイクスの時代-日本の外交・安全保障をどう動かすか』(創成社)など。

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