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【菊池雅之 最新国防ファイル】航空機事故など想定、秒単位の行動でパイロット救出「ピットファイヤー訓練」 (1/2ページ)

 航空自衛隊では、航空機事故や燃料流出などで火災が起こった場合を想定し、定期的に大規模な消火訓練を行っている。それが「ピットファイヤー訓練」だ。この訓練の特徴は、訓練油に着火させ、火柱と煙、熱波の中、消火活動に当たる実戦的な内容となっている。

 入間基地(埼玉県狭山市、入間市)では、四半期に1度の割合で実施している。これとは別に、事故機から搭乗員を救出するという想定で、退役した輸送機などの機体を使用し、破壊して突入後、救出するまでの流れを演練する「搭乗員救出訓練」もある。

 こうした任務に当たるのが消防小隊だ。規模は異なれど、各基地に必ず編成されている。入間基地には、「中部航空警戒管制団基地業務群施設隊消防小隊」が配置されている。

 街で見かける消防車同様に、赤色に塗られた消防車を複数配備し、中には、「破壊機救難消防車」という航空機火災に対処できる特殊な消防車もある。

 漆黒の午前5時。訓練の準備が着々と進む。

 直径17メートル、深さ20センチぐらいの浅い円型の水槽は、水と灯油で満たされていた。ガソリンを着火剤として使い、水槽に火を放つと、辺りは一気に黒煙と真っ赤な炎で包まれた。20~30メートルの火柱が立ち上り、50メートルは離れた場所にいた筆者をも熱波が襲う。顔を覆いたくなるほど熱く、目が開けられないほどだった。

 そこへ次々と消防車が到着。銀色の防火服に身を包んだ隊員たちが降りてきた。この防火服は隊員を炎の放射熱から守る。しかしながら、「中に難燃性の服を着込んでいるが、ずっと炎にさらされていると汗で濡れ、それが蒸発していくときに、熱となり防火服の中にこもってしまう」と、訓練係の森村龍之輔3曹(=取材時の階級)は話す。

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