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不信任案の趣旨弁明に1時間半…立民・枝野代表に異議あり 政治評論家・伊藤達美氏「議会人としての基礎知識に欠けている」

 立憲民主党の枝野幸男代表は15日、菅義偉内閣への不信任決議案の趣旨弁明演説を、衆院本会議で約1時間半も行った。反対多数で否決後、「(自分が首相就任後)所信表明として申し上げる内容を、一部先行して申し上げた」と記者団にうそぶいた。政治評論家の伊藤達美氏が、枝野氏の姿勢に異議を唱えた。

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 衆院本会議はいつから、枝野氏の広報機関に成り下がったのか。まず、1時間半もの趣旨弁明が常識外れだ。

 例えば、通常国会冒頭に行われる首相の施政方針演説は40分程度である。一年の国家運営を説明するもので、慣例として国会で最も長く発言が許される。これに、外交、経済、財政の3大臣演説を加えて、1時間半に達するかどうかだ。

 これに対し、趣旨弁明は通常15分程度である。それが30分に伸びたぐらいなら仕方ないが、1時間半は普通ではない。確かに、議運で発言時間制限を申し合わせておらず、「制限がない」といえばそれまでだが、常識というものがある。

 しかも、政府演説は代表質問として衆参で批判や反論にさらされるが、枝野氏の趣旨弁明にはそれがない。つまり、神聖な国会演説を利用した、一方的なプロパガンダなのである。

 枝野氏の議会人としての姿勢にも疑問がある。

 議長は「趣旨弁明」として発言を許可したのであり、議題外に言及しないのがマナーである。もちろん、議員には発言の自由があり、多少の脱線や逸脱は許容されるが、枝野氏自身が「所信表明を先行して申し上げた」と語ったように、議題から完全に離れている。枝野氏は2018年7月、安倍晋三内閣への不信任決議案の趣旨弁明でも2時間43分の長広舌を振るった。27年もの議員歴のわりに、議会人としての基礎知識に欠けているのではないか。

 野党第一党の党首といえば、議会の権威を背景に政府と渡り合う立場だ。逆を言えば、野党にとって最も大切なのは、議会の権威を保つことだ。その本人が議会の権威を貶めてどうするのか。猛省を求めたい。

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