記事詳細

【八木秀次 突破する日本】ファミリーネームを国民全員が奪われる!? 夫婦別姓が及ぼす社会混乱 (1/2ページ)

 夫婦の姓をめぐる話は小さな問題ではない。家族観や社会秩序の問題だからだ。同姓と別姓を選べるようにする「選択的夫婦別姓制」の主張がある。別姓にしたい夫婦がするのだから、誰にも迷惑をかけないとされる。

 世論調査で夫婦別姓に賛成する人のほとんどは、「自分は同姓にするが、希望者に認めてもよい」とする寛容な人たちだ。だが、選択的夫婦別姓制の導入は、それほど簡単なことではない。

 夫婦の姓は、戸籍制度と一体のものだ。結婚すると親の戸籍を除籍され、夫婦で新しい戸籍を編製する。子が生まれれば、その戸籍に記載される。この戸籍に記載された人たちが共通の姓を称する。「一戸籍一氏(姓)制」だ。

 別姓にすると、1つの戸籍に2つの姓が存在し、家族共通の姓はなくなる。親子で姓も異なる。ファミリーネームが存在しなくなり、氏名は純粋な個人名となる。氏名の法的性格が変わるのだ。これは同姓家族にも及ぶ。制度上は、国民全員からファミリーネームが奪われる。

 別姓夫婦の子の姓の決め方も問題だ。

 子が複数生まれた場合、共通かバラバラか。旧民主党案はバラバラでもよいとした。超少子化のなか、夫婦で子の姓の取り合いや押し付け合いが起きる。そこに双方の祖父母や親戚の利害が絡む。子の姓が決まらない場合、かつての法務省案は家庭裁判所が決めるとした。決定の基準はなく、ジャンケンかクジ引きとなる。家裁の判断に不服の場合は本裁判になる。子の姓は安定せず、家族がいがみ合う。

 選択的夫婦別姓制が導入された場合、現在結婚している夫婦も対象になる。妻や夫が実家の姓を名乗りたいと言い出す。経過措置は1年か3年とされる。その間に子の姓の選び直しも行われる。世代をさかのぼった姓の変更も行われる。

関連ニュース