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【菊池雅之 最新国防ファイル】最大規模の日米共同訓練 「日本有事」「台湾有事」に備える (2/2ページ)

 訓練に先立ち、6月26日、米軍嘉手納基地(沖縄県中頭郡など)から名瀬港へ米国海軍高速輸送船「グアム」で、陸軍兵士とPAC-3MSEが運び込まれた。日本側も、青野原駐屯地(兵庫県小野市)から民間船で運び込まれた。

 奄美駐屯地にも、03式中距離地対空誘導弾を有する高射中隊が所在している。にもかかわらず、他部隊を派遣した理由は、今回の共同訓練で、即応機動力を高める狙いがあったからだ。

 中国が日本南西部へ侵攻してきた場合、点在する島々を守り抜き、奪われれば奪還していく戦いとなる。九州・沖縄エリアの部隊だけでなく、本州以南の部隊が迅速に展開し、逐次増強していかねばならない。そのためには、移動要領を演練しておく必要がある。

 米国側の目的も、そこにあった。「日本有事」や「台湾有事」、さらには南シナ海で中国と戦うこととなれば、米本土やハワイなどから日本へと部隊を展開させ、いち早く橋頭堡(きょうとうほ)を築き、前線部隊を増強する必要がある。そのために、実地を使った訓練をしたかった。

 中国共産党創建100年の祝賀大会が開催された1日、奄美駐屯地で行われた訓練を、吉田圭秀陸上幕僚長(陸将)と、在日米陸軍のジョエル・バウル司令官(准将)が視察した。バウル司令官は「日本各地へと部隊を展開することで、日米による一体的な防衛ができる」と強調した。

 ■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。講談社フライデー編集部を経てフリーに。陸海空自衛隊だけでなく、米軍やNATO軍、アジア各国の軍事情勢を取材する。著書に『自衛隊の戦力-各国との比較』(メディアックス)、『陸自男子-リクメン』(コスミック出版)など。

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