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【昭和のことば】糸井重里が湯村輝彦のイラストを評していった言葉 へたうま(昭和57年)

 「へたうま」とは、糸井重里が湯村輝彦のイラストを評していったことばだ。一見へただがセンスがある。まったく反対の評価をひとつにしたところに新しいニュアンスが生まれる。単なる技量の評価よりも、もっと感性に訴えるオリジナリティーを見たい。

 「おもしろまじめ」「ダサかっこいい」など、この辺のことば遣いに関しては、(糸井を代表とする)ギョーカイの先輩たちの力量に改めて脱帽する。「ブスカワ」「キモカワ」など、そのことばの末裔(まつえい)は、現代にもある。

 この年の主な事件は、「東京・赤坂の『ホテル・ニュージャパン』で火災発生。33人が死亡」「日航機、羽田着陸寸前に海面墜落(機長による逆噴射操作の人為的事故)。24人が死亡」「500円硬貨発行」「IBM産業スパイ事件」「東北新幹線、大宮-盛岡間開業。上越新幹線、大宮-新潟間開業」「九州北西部に集中豪雨で、長崎『眼鏡橋』が崩壊」「国鉄リニアモーターカー、世界初の有人浮上走行に成功」「三越取締役会で岡田茂社長を解任。『なぜだ』が流行語に。愛人の竹久みちも脱税容疑で逮捕」「パンダのフェイフェイ、上野動物園に到着」「第1次中曽根康弘内閣成立」など。

 岡本綾子、ゴルフ米公式ツアー優勝。中・高校の卒業式への警官関与が1528校、校内暴力の嵐が全国の学校に吹き荒れた。

 へたうまイラストの大家、渡辺和博も鬼籍に入られた。スキのない世の中よりも、すべてを了解した上でスキを見せる。安心感を与え人に好かれた故人を、元担当編集として懐かしく思い出す。 =敬称略

(中丸謙一朗)

 〈昭和57(1982)年の流行歌〉 「北酒場」(細川たかし)「聖母たちのララバイ」(岩崎宏美)「待つわ」(あみん)

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