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【東京五輪と日本】大胆なコロナ対策しか次期衆院選に活路なし 「五輪だけは無観客は不平等」菅首相にも欲しい宮城・村井知事の心意気 (2/2ページ)

 以前は、ワクチンの強制に近いことや、接種者の優遇は嫌われたが、世界の常識は変わっているのに、日本は取り残されている。東京五輪も、観客をワクチン接種者か、自費でPCR検査を受けた者に限ればよかった。

 理解しがたいのは、薬事承認をして台湾などに提供している英アストラゼネカ製ワクチンについて、菅義偉政権が使用のゴーサインを出さないことだ。「副反応が心配だ」と言っても、五輪入場者など希望者限定か副作用が出にくい1回目だけに使うなら問題はない。1回の接種でいい米ジョンソン・エンド・ジョンソンの子会社、ヤンセン社製ワクチンもすぐに承認すべきだ。

 菅首相は思いきった政策を展開して、次期衆院選は感染状況を見極めて、自民党総裁選の前か後を選べばいい。運悪く、感染状況が悪くなれば、土壇場で総裁選に出馬しないとか、再選されても早期に潔く首相を辞めると割り切れば何も怖くない。

 永田町の政治家が勇気を示さないなか、宮城県の村井嘉浩知事は「(プロ野球や音楽ライブが観客入れてるのに)五輪だけ無観客は極めて不平等」として、宮城スタジアムで行う五輪のサッカーの試合に観客を入れる。「目先のことしか考えず批判を恐れ、大義を見失う政治家が多いと思います。本当に情けない。晩年の西郷隆盛の気持ちが分かるようになってきた」と言っているが、その心意気を菅首相にも持ってほしい。

 ■八幡和郎(やわた・かずお) 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。徳島文理大学教授。著書に『歴史の定説100の嘘と誤解 世界と日本の常識に挑む』(扶桑社新書)、『日本人のための日中韓興亡史』(さくら舎)、『日本人がコロナ戦争の勝者となる条件』(ワニブックス)など多数。

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