記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】無観客五輪で“小池戦略”が的中 矢面に立たされ窮地の菅政権…11月衆院選の「ウルトラC」も (1/2ページ)

 23日開幕の東京五輪は大半が無観客で実施されることになったが、政治的にはどのような影響を与えるだろうか。

 新型コロナウイルスをめぐっては、東京都で緊急事態宣言を発令して五輪を無観客とするか、蔓延(まんえん)防止等重点措置として一定の観客を入れるかという二択だった。当初、菅義偉政権は一定の観客を入れる方針だったが、結局、大半の会場で無観客にせざるを得なかった。

 本コラムでも、交通事故とのリスク比較により、無観客とセットである緊急事態宣言そのものに合理性がないと説明してきた。東京で新規感染者が増加していることが宣言の根拠だが、今回の感染者増は過去と比べて顕著な差がある。それは、高齢者の感染が大きく減少していることだ。政府は宣言発令について「先手を打った」というが、それは現状を説明できないことを白状しているようなものだ。

 では、どうして合理的でない決定となったのか。筆者には小池百合子都知事の影が見える。小池氏は、都議選の自軍の「勝利」後の5日、自民党の二階俊博幹事長、公明党の山口那津男代表とそれぞれ面会し、五輪無観客の流れを作った。7日には政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長とも2時間近く会談している。

 五輪や緊急事態宣言に関して都は当事者であるので小池氏が表に出てもいいはずだが、あえて水面下で行い、決して過度に露出しなかった。この政治的老獪(ろうかい)さは驚くばかりだ。スポットライトに当たるときと避けるときを見極める政治の才能は天才的だ。

関連ニュース