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酒類提供する飲食店の本音 過料覚悟も「売り上げ好調」 ワクチン接種浸透で客足増え

 4回目の新型コロナウイルス緊急事態宣言下でも、国や東京都の要請に従わず午後8時以降の営業や酒類提供を継続する飲食店が増えている。政府は金融機関や取引業者を通じて締め付ける方針を撤回したが、協力金の「先渡し」も始まっていない。そうしたなか、深夜まで酒類営業を続ける現場の本音を聞いた。

 西村康稔経済再生担当相は15日、酒類提供禁止や営業時間短縮に応じた飲食店への協力金について、4週間分の112万円(1日4万円)を先渡しする方針を明らかにした。支給の開始時期は「東京都からはできるだけ早くと聞いている」と述べるにとどめた。

 一方、1~3月の宣言期間に都の時短命令に応じなかった飲食店には25万円の過料を科す決定も出ている。

 都内の住宅街にある居酒屋は、3回目の宣言から都の要請に従わず、通常営業を継続している。客には入店時に検温とアルコール消毒をしてもらい、酒類提供は午前2時まで行っている。

 店内は13日夜も多くの客が訪れていた。店長の男性は「もともと安さが売りの居酒屋なので、客の回転率が重要だった。店の賃料や人件費、仕入れなどにかかるコストを考えると1日4万円では割に合わない。完全に休業してコストを抑えても、いつ再開できるか分からず、通常営業を迎えられる確信はなかった」と心境を語る。

 西村氏が撤回した金融機関を通じた要請については「金融機関や酒類販売事業者との関係は重視せざるを得ず、実際に直接要請されれば従わざるを得なかったと思うが、それで経営を維持できる自信はない」と店長。

 これに対し、都内の銀行員は「飲食店と向き合う行員は現場の声を無視できず、要請に実態が伴わない矛盾が相次ぐだけだったのではないか」と語る。

 現状の客足について前出の店長は「通常営業に戻してからの売り上げは、過料を支払うリスクを含めても好調と言わざるを得ない。家飲みばかりの生活に我慢できなくなった人も多く、特にワクチン接種が浸透してきてから客足が増えた。ワクチンも打ったので久々に飲みたいが、選択肢も少ないのでうちに来るということだろう」と話していた。

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