記事詳細

“中国製日系ゲーム”が世界を席巻中 日本人声優起用で大成功 (3/3ページ)

 「この時期に中国政府の事情で新作ゲームの審査がストップして、中国国内でゲームをリリースするのが難しくなり、メーカーは海外に活路を見出さなくてはいけなくなった。そこで『中国製日系ゲーム』が世界各国でリリースされるようになり、日本市場にも逆輸入されたわけです」

 同時期には、『AFKアリーナ』のように、欧米ゲームのような世界観の“中国製欧米ゲーム”も多数生まれた。あらゆる文化を飲み込んで、自国で再生産してしまうところが、なんとも中国らしい。

 中国のゲームメーカーは予算が潤沢で、同程度のゲームであれば、日本の倍の費用をかけるのが一般的。メジャー作品となると、5000万元(約8億円)ほどの予算が付くという。

 当然、日本企業も世界市場を対象にゲームを開発している。もはやゲームは国境を超える存在となったが、市場に合わせて“調整”が必要だという。

 「ソニー傘下のアニプレックスが手がける『Fate/Grand Order』というゲームは全世界でリリースされていますが、各国の歴史上の人物が戦い合う内容のため、それぞれの国でキャラクターや必殺技などの名前やキャラクターのビジュアルで調整が行なわれています。“カルチャライズ”と呼ばれる作業です。

 欧米では児童の性的搾取につながるような表現は厳しく制限されており、子供っぽいキャラクターは容姿や服装、ストーリー設定などにも気を払わなければなりません。中国では、こうした表現については比較的寛大である一方、女性の肌の露出表現には厳しく、キャラクターの水着の布面積を増やすといった修正が行なわれます。肌露出が厳しいのはイスラム圏も同じで、そのまま直輸入でリリースできるゲームは、まず存在しません」

 “中国製日系ゲーム”は、クールジャパンのお株を中国に取られてしまったようなものだが、作品そのものはオリジナルで、コピーや丸パクリというわけではない。“中国製日系ゲーム”に対抗できるよう、日本のゲームメーカーにも頑張って欲しいものである。

 取材・文/西谷格(ライター)

NEWSポストセブン

関連ニュース