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進むマンション業界のIT化 ネットで販売、完全非対面で引き渡しも

 不動産各社が、新型コロナウイルス感染症流行を受け、販売員と接触せずに顧客が新築マンションを購入できるよう工夫を凝らしている。日鉄興和不動産は「マンションのオンラインストア」をうたい、インターネットで24時間購入申し込みできるサービスを開始。住友不動産はモデルルームのオンライン見学用パソコンを貸し出すなどして完全非対面を実現した。

 マンション業界は元々IT化が遅れていた。現地などで実際に見学するニーズが高く、重要事項に関する対面での説明が業者に義務付けられていたからだ。しかし新型コロナで消費者が高額品をネットで購入するようになり、2021年4月にネットでの重要事項説明が全面解禁され、潮目が変わった。

 分譲マンション「リビオ」シリーズを展開する日鉄興和不動産は先日、ネット販売の会員制サイトを設けた。当初は東京都内の一部住戸が対象だが、関西などにも拡大する。価格や長期修繕計画など購入に必要な情報をネットで入手でき、住宅ローンの事前審査も可能にした。

 入会者に100万円相当のポイントを付与し、通常は申込時に物件価格の約1割を預かる手付金も一律10万円とした。広報担当者は「人件費などを抑制できるため、会員に還元する」と話した。

 ネットを活用した接客は、最大手の三井不動産など多くの会社が実施している。住友不動産は昨年6月、全国の物件の見学から引き渡しまで非対面で完結できる仕組みを導入した。書類の郵送は必要だが、販売員らと全く会わずに手続きを終えることが可能だ。

 今月までに約7000組がネットでモデルルームを見学した。このうち10%程度が購入に至っており、担当者は「実際に来場した顧客と遜色ない数字だ」と説明した。

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