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【高橋洋一 日本の解き方】感染拡大の原因は五輪ではない 1年以上遅れの法改正議論より医療体制の供給拡大をなぜ言わない (1/2ページ)

 東京五輪が開催されているが、東京都をはじめ各地で新型コロナウイルスの感染者が増えている。「五輪の開催で気が緩んだ」「五輪関係者の入国で水際対策が甘かった」などの指摘もあるが、現状の感染拡大と五輪は関係があるのか。

 「気が緩んだ」というのは、客観的に計測しようがないので検証不能だが、「五輪関係者の入国のため」というのは、五輪関係者に明確なクラスター(感染者集団)が発生しておらず、関係はないといえるだろう。

 現在の感染拡大は日本だけでなく、世界でも起きているので、感染力の強い変異株によるものと考えられる。ちなみに、昨年1月からこれまで人口当たり新規感染者数について、日本と先進7カ国(G7)の相関係数(1が最大)をとると、0・35~0・68となっており、日本の新規感染者数は世界とかなりの程度連動している。

 五輪期間といっても、感染傾向は従来通りであり、特に五輪の影響とは思えない。なお、G7では、日本はカナダ、ドイツとともに人口当たり新規感染者数、死亡者数は低位である。

 世界で新規感染者数を増やしているのはデルタ株である。実際、東京の新規感染者も大半はデルタ株となっている。感染力が従来のものに比べて高いのは事実であるが、感染症ウイルスの経験則によれば、感染力の高いものは致死力は反比例するようにそれほど高くない。

 デルタ株の致死率はまだデータではっきりと検証されていないが、従来のワクチンはほとんど同様に効果があることなどを基礎知識として理解しておいたほうがいいだろう。

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