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在宅特効薬「イベルメクチン」論争 海外治験での高い改善率に期待も…厚労省「現在は特例承認の対象とならない」 (3/3ページ)

 未承認の治療薬をめぐって論争になっているのが、ノーベル医学・生理学賞受賞の大村智・北里大特別栄誉教授らが開発に貢献した抗寄生虫薬「イベルメクチン」だ。錠剤で、腸管糞線虫症や疥癬(かいせん)の治療薬だが、新型コロナの治療薬や予防薬として期待する向きもある。

 北里大病院などが治験を続けており、全米の救急救命医や研究者らで構成する「FLCCCアライアンス」や、英国の医師らで作る「BIRD」などが推進している。

 各国の治験データが集約されるサイトでは、8月12日時点で2万4664人の治験結果が報告され、うち査読済みの42件計1万6455人を対象にした治験で、予防が86%、早期治療では75%、後期治療では43%の改善率が見込まれたという。

 北里大の八木澤守正客員教授は「複数のデータが出ているにもかかわらず選択肢から排除する理由はない。海外のデータを元に日本でも特例承認が検討されてもいのではないか」と話す。

 7月中旬には推進派が重要視する論文に不正があり、掲載サイトから削除されたと報じられた。FLCCCやBIRDは「1つの研究を削除することで結果が逆転するという科学的根拠はない」と反論している。

 また、大規模な比較試験で効果が確認されなかったとの報告もある。

 イベルメクチンについて厚労省は「現在は医師が適応外使用という形で患者の理解を得つつ使用することは可能だ。日本と同じような薬事審査の水準を持つ国での承認がない限り、特例承認の制度の対象にはならない」との見解を示した。

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