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【「脱炭素」は嘘だらけ】環境のために良かれも…強制労働を助長し“本末転倒” 太陽光パネルの心臓「結晶シリコン」はウイグル産が45% (2/2ページ)

 太陽光発電は「脱物質」などではなく、その逆である。広い面積を必要とするので森林が犠牲になる。山間部につくれば土砂崩れの心配もある。

 さらに忘れてはならないのは、太陽光発電の世界市場を席巻している中国製品は、ウイグルの強制労働との関係の疑いが濃厚なことだ。

 米国は6月に中国製太陽光パネルの輸入を禁止した。太陽光パネルの心臓部にあたる結晶シリコンは、世界の45%がウイグル地区で生産されている。残りは30%がウイグル以外の中国であり、中国は合計で75%となっている。他の国々は全て合わせても25%だ。

 日本の太陽光発電パネルはいまや8割が海外製品になっており、中国製品も多い。米国並みの措置を日本も採れば、太陽光発電の導入には急ブレーキがかかり、価格高騰も避けられない。

 だがそれでも、日本も断固とした措置を速やかに取るべきだ。

 環境のために良かれと思った太陽光発電が強制労働を助長するのは本末転倒だ。このままでは、家の上の太陽光パネルを見るたびに、おぞましいジェノサイド(民族大量虐殺)を思い出すことになる。かかる事態を、日本政府は許すべきではない。 =おわり

 ■杉山大志(すぎやま・たいし) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。1969年、北海道生まれ。東京大学理学部物理学科卒、同大学院物理工学修士。電力中央研究所、国際応用システム解析研究所などを経て現職。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、産業構造審議会、省エネルギー基準部会、NEDO技術委員等のメンバーを務める。産経新聞「正論」欄執筆メンバー。著書に産経新聞「正論」欄執筆メンバー。著書に『「脱炭素」は嘘だらけ』(産経新聞出版)=表紙、『地球温暖化のファクトフルネス』(アマゾン)など。

 

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