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【「朝日新聞」研究】フェイクニュースを流しているのは誰か 皇帝ネロと比較する「現代の暴君」にトランプ氏 (1/2ページ)

 朝日新聞、7月25日のコラム「日曜に想う」は、国末憲人・ヨーロッパ総局長の文章で、第5代ローマ皇帝ネロは、希代の「暴君」であったというのが定説だが、「ところが、そのような評価が近年大きく変わってきた。彼は実は『名君』だったというのである」との説を紹介している。

 その根拠は考古学的な発掘にあった。例えば、近年ローマで発掘された、ネロが築いた「黄金宮殿」が優れたものだったという。「考古学的視点から探る限り、極めて有能な君主だったと考えられます」とは、宮殿の修復を指揮した人物の見解である。

 また、ポンペイの遺跡で発見された落書きに、ネロをたたえる詩編があったことも根拠だ。30歳で自殺したネロは、その4年前にポンペイを訪れ、庶民が壁にたたえる詩編を残した。その約10年後に大噴火の火山灰で埋もれ、現在に伝えられたというのである。

 ネロが暴君にされた理由は、ポピュリストで大衆の支持を得ていたために、支配階級である元老院と対立したからだという。悪評は元老院議員だった歴史家タキトゥスらの著作で伝えられ、さらに後世の小説や映画で暴君像が定着した。

 最近、ロンドンの大英博物館で、特別展が開催されて虚像の修正が図られている。同館の上席学芸員は、ローマの黄金時代とされる「五賢帝時代」も、その基礎はネロの時代に準備されていたと言い、ネロに関する悪評の多くは創作の可能性が高く、「現代のフェイクニュースと同じです」と述べる。

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