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日本の国防「外注」でいいのか? 米中枢同時テロから20年…自ら防衛する「当たり前」のことが大事 大原浩氏が緊急寄稿 (2/2ページ)

 見逃せないのは、7月28日に中国の王毅外相が、タリバンの重要人物、バラダル師らと会談したことである。イランなどを含む「共産&イスラム原理主義者連合」が世界ネットワークを形成するとすれば、民主主義国家にとって重大な脅威だ。タリバンに首都カブールを制圧されても、バイデン政権が弱気な態度を示しているのは、背後に中国が控えている証拠とも思える。

 90日の期限でバイデン大統領から再調査が命じられていた新型コロナウイルスの起源に関する報告は、一定の疑念を提示したものの、大筋では中国側の主張に沿ったものであった。バイデン政権が中国の力に恐れをなしていることを示すのかもしれない。

 アフガニスタンは歴史的に、大国が背後に控える代理戦争の中心地だった。これからは、イスラム教スンニ派過激組織「IS」や、軍閥まで各種勢力が入り乱れた状態が予想される。下手をすれば無政府状態になるのではないだろうか。

 そのような「惨劇」を招いたバイデン氏に対する非難の声は、民主党も含めて日増しに高まっている。

 しかし、カマラ・ハリス副大統領は、これまでの国境視察をはじめとする言動からみても、日本の特定野党に多い「他人への批判が自分に跳ね返る『ブーメラン議員』」以上の存在ではないと思われる。「悪夢の民主党政権」が4年続けば、米国の分断が「原理主義同盟」に付け入る隙を与えることになる。

 バイデン氏が米軍撤退前、「アフガン政府軍に戦う意思がないのに米軍が戦うべきではない」と述べたのは明らかに本音であり、米国内で混乱が広がれば、韓国や日本も同じ言葉が投げかけられても不思議ではない。

 安全保障を事実上、米国に「外注」している日本だが、防衛を日本自身によって行うという「当たり前」のことが、よりいっそう大事になる。

 ■大原浩氏(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。

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