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【高橋洋一 日本の解き方】権威主義強める習近平政権 経済成長は頭打ちのリスク、香港も民主主義から「脱落」 (2/2ページ)

 初めの30年は典型的な権威主義で、全体主義ともいえた時期だ。次の35年の改革開放路線では、個人や企業の自由がある程度確保され、思想統制が薄まった。その一方、国民の政治参加はないので共産党政権の下で大規模な政府投資などを行いやすく、経済発展をもたらした。

 しかし、習体制では一定の経済発展の成果があったので、権威主義の維持のため、再び個人や企業への規制強化や思想教育が必要になってきたと、筆者はにらんでいる。

 これまで何度も解説しているように、前出の民主主義指数が6より大きな「民主主義」にならないと、1人当たり国内総生産(GDP)は1万ドルを超えにくい。これまでの歴史では、民主主義国では民主主義指数とともに1人当たりGDPが伸びるが、非民主主義国では産油国を除き1人当たりGDPが1万ドル長期に超えることはなかった。

 香港は19年の民主主義指数が6・02と民主主義に該当していたが、20年には5・57と急落し、非民主主義になってしまった。香港における中国による香港国家安全維持法の施行によるものだ。これで、外国からの魅力的な投資対象でなくなり、優秀な人材が流出している。

 日本は香港からの流出人材の受け入れをやってもいいが、従来のように付き合う気になれないだろう。世界から見ても権威主義国家は避けられるので、日本もよく考えた方がいい。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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