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【お金は知っている】自民党総裁選に大きく出遅れたメディアの論調 候補の意見との対比が鮮やかな日本経済新聞 (2/2ページ)

 「小泉改革以降の新自由主義の転換」と「令和版所得倍増」を掲げる岸田氏にも首をかしげる。「規制改革による雇用環境の改善を置き去りにしたまま再分配を強化すれば、日本経済の潜在力をいっそう弱めるおそれがある」という。労働規制緩和によって非正規労働を急増させた小泉改革からの決別をめざす岸田氏に対し、これまで以上に規制改革を進めよ、と主張する日経の従来の論調そのままだ。

 記事はさらに「介護・保育など公的な対人サービス業の所得環境改善は積年の課題だ」と認めつつも、「官主導の賃上げには増税や社会保険料引き上げという財源が不可欠である」と増税の必要性を持ち出している。

 そして、河野氏について「大型財政にこだわらずワイズスペンディング(賢明な財政支出)をめざす姿勢は、規模優先の他候補とは一線を画す」とし、消費税率引き上げの選択肢を排除していないと、歓迎した。

 その他の全国紙はこれまでのところ、3候補の財政論には目立ったコメントを控えている。ただ、朝日新聞朝刊9月1日付「アベノミクス錬金術 財政健全化、語らぬ無責任」が示すように、総裁選の結果次第で日経同様の論調が今後激しく展開されるだろう。

 メディア多数派に共通するのは、脱デフレの視点の欠落だ。グラフは、コロナ禍でも米英はデフレに陥らず、日本だけがコロナ・デフレに沈んでいることを示す。高市氏らの爪のあかでも煎じて飲んだらどうか。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

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