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【長谷川幸洋 ニュースの核心】本音を隠した? リベラル路線から軌道修正の河野氏と1年でハト派から変身の岸田氏 高市氏は「タカ派姿勢」割り切り前面 野田氏は今後に注目 (2/2ページ)

 優柔不断な印象がある岸田氏にしては「はっきり言った」と評価したい。だが、こちらも本心はどうか。

 敵基地攻撃能力の保有でも、グレーゾーン事態への対応でも、本当に新たな法整備を進めるとなったら、中国の猛反発は避けられない。ところが、岸田氏の本領は、2冊の著書の題名にあるように『岸田ビジョン 分断から協調へ』(講談社)、『核兵器のない世界へ 勇気ある平和国家の志』(日経BP)といった典型的なハト派路線なのだ。

 これらの本が出版されたのは、昨年9月と10月だ。わずか1年で、急にタカ派に変身した、とは思えない。こちらも、河野氏と同じく「党内保守派の支持を得たい」という思惑ではないか。

 高市早苗前総務相はどうか。敵基地攻撃能力の保有やグレーゾーン事態への法改正は言うに及ばず「靖国神社参拝も続ける」と明言している。人気投票で劣勢が明白なので、「いまさらタカ派の立場をあいまいにする必要はない」と割り切っているようだ。

 告示前日に出馬表明した野田聖子幹事長代行については、今後、打ち出す政策を注目したい。

 党内の論戦は、これからが本番である。マスコミの記者たちは、候補者たちの本心を引き出そうと、手ぐすねを引いているだろう。質問攻めに遭って、候補者が思わぬ失言をしたり、動揺する場面もあるかもしれない。

 そういうときこそ、候補者の本音が透けて見える。逆に言えば、本音や動揺を引き出せないような議論は無用だ。候補者の違いが浮き彫りになるような質問をできるかどうか。ありきたりの質問と回答だけは、願い下げにしてもらいたい。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。

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