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【高橋洋一 日本の解き方】コロナ禍でも失業率の抑制に成功した日本、雇用調整助成金が威力を発揮 保険料引き上げの前に検証を (1/2ページ)

 経済協力開発機構(OECD)のデータで、コロナ禍でも日本が低い失業率を維持したことが明らかになった。どのような政策が雇用維持に奏功したのか。そして次の政権にはさらにどのような規模や質の策が求められるのか。

 コロナ対応によって世界の経済活動は縮小したが、雇用への影響は国によって異なっている。先進国のうち、失業率統計がしっかりしている日本と米国、欧州連合(EU)でみてみよう。

 日本の失業率はコロナ前の2020年2月に2・4%だったが、その後上昇し、10月に3・1%とピークになり、21年7月は2・8%まで低下した。米国は20年2月に3・5%だったが、4月に14・8%とピークで、21年7月は5・4%。EUは20年3月が6・3%だったが、8月に7・7%、21年7月は6・9%となった。

 それぞれ、コロナ前とコロナ後のピークの差は日本が0・7ポイント、米国が11・3ポイント、EUが1・4ポイントだった。コロナ前と直近の差は日本が0・4ポイント、米国が1・9ポイント、EUは0・6ポイントだ。

 これらの数字から、コロナ禍による失業率の上昇を最も抑えたのが日本であることがわかる。その理由は、日本では雇用保険の中に雇用調整助成金があるからだ。この制度は、労働者の失業防止のために事業主に給付するものである。類似制度は世界ではそれほど多くないが、似た制度があるドイツも、ピーク時の失業率上昇は0・7ポイントと他国と比べて抑えられている。

 日本の労働市場の特色として、雇用の流動性の問題で、一度失業すると再就職が困難になることがある。また、企業を解散すると、再び企業を構築するするのに時間を要する。

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