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【日本の元気 山根一眞】森林エコ文化が育む北海道・下川町の「デザインビジネス」に感銘 (1/2ページ)

 この「日本の元気」を読んだ読者から、「記事、とても印象的で鮮烈でした。身が震えるほど突き動かされました」という連絡があった。その記事とは昨年11月に書いた「森の資源を森に還すビジネス、バイオマス灰のリサイクルに着目」だった。

 2017年8月、伊藤忠エネクス、ニチユウ、鹿野興産が出資して設立したカノウエフエイ(本社・山口県周南市)が取り組んできたのは、バイオマス発電所から出る焼却灰に水とセメントを加えたこぶし大の石、「リサイクルビーズ」の製造だ。バイオマス発電は「カーボンニュートラル」のひとつとして期待されているが、発電後の焼却灰は産業廃棄物として処理されてきた。そこで同社は、「森の資源からエネルギーを得たあとの廃棄物は森に還(かえ)したい」とリサイクルビーズを開発製造、林業用作業道の路盤材として林業組合や採石会社に販売しているのだ。

 連絡をくれた読者は北海道上川郡下川町でデザイン事務所を営む寺田真治さん(43)。木質バイオマスボイラーの燃焼灰を利用した媒染剤の開発に成功し、その染料を使い、オーガニックコットンを中心に「和の色」に染めたタオルやガーゼ織ストール、タオルマフラーなどを製造している。「採色兼美」のブランド名でネット販売もしているという。

 寺田さんは「森で生まれたものを元あった森に還したい」と、「山から色を採り、染めて美を兼ねる」ことを目指してきた。なるほど、これはカノウエフエイの企業思想と同じ「SDGs」(持続可能な開発目標)のありようではないか。そこで、カノウエフエイの社長、松本健時さんとともにオンラインで寺田さんの話を聞くことにした。

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