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【国家の流儀】日本に技術開発予算を“ケチったツケ” 世界の技術主導権握った中国に知的財産使用料を支払う日が来る (1/2ページ)

 10月4日に発足した岸田文雄政権は、「経済安全保障」政権と呼ぶべきかもしれない。沖縄県・尖閣諸島や台湾をめぐる軍事紛争だけでなく、「軍事力を使わない戦争」、つまり経済を使った脅威が高まっている。

 中国とビジネスを続けたいのであるならば、「尖閣諸島問題については発言するな」「靖国神社参拝をするな」みたいな形で、経済を武器にして相手国に自国の主張を強制したりすることが世界的に大きな問題だと見なされるようになってきているのだ。

 この新しい「脅威」に対応しようと、自民党は昨年12月、「『経済安全保障戦略策定』に向けて」と題する重要な提言を公表した。その座長だったのが今回、自民党幹事長に指名された甘利明氏だ。そして、提言取りまとめに尽力したのが今回、初の経済安全保障担当相に任命された小林鷹之氏なのだ。「経済安全保障シフト」を敷いているわけだ。

 この経済安全保障の論点の1つが、「日本の優秀な技術を中国に盗まれないようにするためにどうしたらいいのか」というものだ。知的財産権を侵害する「加害者」の中国と、侵害される「被害者」の日本という構図だ。

 ところが、この構図が大きく変わろうとしている。

 中国は先月、「知的財産権強国建設要綱(2021-35年)」を公表した。01年にWTO(世界貿易機関)に加盟した中国は、日本や米国、ドイツなどの知的財産を盗み、コピー商品で大もうけしてきたと、これまで非難されてきた。

 だが、この20年間、中国は先端技術開発に多額の予算を投じ、日本を含む世界中の優秀な学者たちを招聘(しょうへい)してきた結果、2035年、つまり14年後には「世界レベルの知的財産権強国」を目指す段階に入ったのだ。現に、中国は6G特許出願数で世界一の約4割を占め、日本は米国に続いて3位というニュースも流れている。

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