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【国家の流儀】日本に技術開発予算を“ケチったツケ” 世界の技術主導権握った中国に知的財産使用料を支払う日が来る (2/2ページ)

 要は、「知的財産権を侵害する中国」対「侵害される日米欧」という構図から、「政府主導で技術開発に莫大(ばくだい)な投資をして世界の主導権を握りつつある中国」対「劣勢の日米欧」という構図に変わりつつあるのだ。

 これはまずい、ということで技術開発予算を増やそうとしたのが菅義偉前首相なのだが、これに必死で反対したのが財務省の矢野康治財務事務次官だ。月刊「文芸春秋」11月号に寄せた手記でも、昨年、「脱炭素技術の研究・開発基金を1兆円から2兆円にせよ」という菅氏に対して、懸命に反対したことが記されている。

 日本はこの十数年、財務省の緊縮財政路線に従って技術開発予算をケチってきた。そして、このまま緊縮財政路線に安住していると、近い将来、日本も中国の技術覇権のもとで中国に莫大(ばくだい)な知的財産使用料を支払わされるようになっていくだろう。

 それが嫌なら、技術開発予算をケチるべきではないのだ。

 ■江崎道朗(えざき・みちお)  評論家。1962年、東京都生まれ。九州大学卒業後、国会議員政策スタッフなどを務め、現職。安全保障やインテリジェンス、近現代史研究などに幅広い知見を有する。著書『日本は誰と戦ったのか』(KKベストセラーズ)で2018年、アパ日本再興大賞を受賞、19年はフジサンケイグループの正論新風賞を受賞した。著書に『インテリジェンスと保守自由主義-新型コロナに見る日本の動向』(青林堂)、『緒方竹虎と日本のインテリジェンス』(PHP研究所)など多数。

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