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【高橋洋一 日本の解き方】「悪い円安論」は本当なのか? 経済全体ではプラスの影響の方が大きく、原油高よりデフレが問題だ (1/2ページ)

 このところ為替相場で円安が進み、原油価格が上昇基調となったことを受けて、メディアでは「悪い円安」「悪い物価上昇」「スタグフレーション(不況下のインフレ)」などの言葉が増えているようだ。こうした見方は妥当なのか。

 まず円安と原油高を分けて考えよう。円安にはメリット、デメリットの両面があるとしても、短期的には景気に対してメリットが大きいと考えるのが一般的だ。購買力を低め内需を低迷させる効果と比べ、外需を増加させる効果の方が大きいとみられるためである。

 こうしたメカニズムを確認するには、マクロ計量モデルの推計結果が有用だ。日本では、少なくとも数年の期間では自国通貨安(円安)は国内総生産(GDP)にプラスの影響を及ぼす。これは内閣府の短期マクロモデルでも確認できる。10%の円安によって、GDPは0・2~0・5%程度増加する。

 このように自国通貨安が経済全体にプラスの影響を与えることはほとんどの先進国でみられる現象だ。どの国も総じて輸出産業は世界市場で競争しているエクセレント企業群で、輸入産業は平均的な企業群だ。エクセレント企業に恩恵を与える自国通貨安は、デメリットを上回って経済全体を引き上げる力が強いと筆者はみている。

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