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日本「集団免疫」ほぼ達成か、ワクチン接種率70.6% 重症化や死亡インフルと同レベルに

 東京都は27日、新型コロナウイルスの新規感染者が36人と発表した。全国で「ゼロコロナ」に迫る状況が続き、重症者数も激減するなか、専門家は「重症化や死亡についての集団免疫がほぼ達成しつつあるのでは」と指摘する。米ファイザー製と米モデルナ製の「2大ブランド」のワクチン接種が奏功したようだ。

 東京の新規感染者数は11日連続で50人以下となり、約1カ月で10分の1程度にまで減った。

 東京大の仲田泰祐准教授らの研究チームは、10月以降に感染減少が続いていることは説明しにくいと留意しつつ、「想定よりも低い基本再生産数(感染力の強さ)」「感染の周期」「医療逼迫(ひっぱく)によるリスク回避行動」などの影響が大きかった可能性があるとの見方を示した。

 「重症化や死亡についての集団免疫は、ほぼ達成できつつあるのではないか」とみるのは、東北大災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)。「ワクチンをきちんと接種していけば、重症化や死亡の面ではコロナはインフルエンザと同レベルになる。感染予防を軸に集団免疫を考えていては終わりがない」と話す。

 日本の状況を大きく改善させたとみられる要因がワクチンだ。接種完了率は27日時点で70・6%に達し、フランスやドイツ、英国を上回った。

 ワクチンによる集団免疫達成に否定的な見解もある。政府の新型コロナ分科会でも「全ての希望者がワクチン接種を終えたとしても、社会全体が守られるという意味での集団免疫の獲得は困難と考えられる」とする資料が示された。ワクチン接種が先行しながら感染が再拡大している英国の事例もある。

 児玉氏は「日本はファイザーやモデルナにほぼ統一して接種を進めた点が画期的だ。接種率が同程度でも、中国製が普及するシンガポールや英アストラゼネカ製を多く用いている欧州との比較は参考程度に留めるべきではないか」と注意を促す。

 今後の流行について児玉氏は「新たな変異株が出てこない限り、感染の波は小~中規模程度で収まるのではないか。あとは感染管理が難しい小学生以下の子供たちへの対応が課題になる」と提言した。

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