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【昭和のことば】「日活ロマンポルノ」によって一気に有名になった ポルノ(昭和47年)

 英語の「ポルノグラフィー」を元とする、性的興奮を呼び起こすための「わいせつな写真や絵」を指すことばである。この年始まった(セックス描写主体の成人映画)「日活ロマンポルノ」によって一気に有名になった。

 まだ個人で所有できるビデオテープなどは登場前。通称「エロ本」とともに若者男子の心を揺さぶり続けたピンク映画産業は、昭和57(1982)年頃にピークを迎え、ビデオが普及する昭和の終わり頃まで続いた。

 ポルノということばは、私にはどこか滑稽で古臭い感じがした。高校時代、ベッドの下からエロ本を見つけた母親が、夕食時、「あのポルノをなんとかしろ」と言い放ち、なぜか失笑してしまったことを思い出す。

 この年の主な事件は、「連合赤軍浅間山荘事件」「明日香村高松塚古墳で極彩色壁画発見」「沖縄県発足」「イスラエルで日本人ゲリラ3人が自動小銃乱射。死者26人」「第1次田中角栄内閣成立」「運転時の『初心者マーク』の貼り付けを義務化」「パンダのカンカン・ランランが上野動物園へ到着」など。

 第11回冬季五輪札幌大会で、笠谷幸生ら日の丸飛行隊が70メートル級ジャンプで金、銀、銅メダルを独占。ミュンヘン五輪では、男子バレーボール、男子体操、水泳など、多くのメダルが日本にもたらされた。有吉佐和子が『恍惚の人』を発表。テレビでは『刑事コロンボ』や『アタックNo.1』が人気だった。

 近年、久しぶりにこのポルノが顔を出した。「感動ポルノ」である。(必要以上に)感動を想起させるよう露悪的に仕組むメディアや世間の風潮を批判する、新しい「わいせつ」表現である。 =敬称略 (中丸謙一朗)

 〈昭和47(1972)年の流行歌〉 「女のみち」(宮史郎とぴんからトリオ)「瀬戸の花嫁」(小柳ルミ子)「ひとりじゃないの」(天地真理)

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