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【長谷川幸洋 ニュースの核心】米中、台湾有事はもはや「時間の問題」 林外相任命は「日本の弱腰」示すメッセージ…日本の危機感はあまりに薄い (2/3ページ)

 ジョー・バイデン大統領の米国が「台湾有事」の可能性を真剣に受け止めている証拠は他にもある。国防総省が3日に発表した「中国の軍事力に関する2021年版報告書」で、人民解放軍の台湾侵攻シナリオを具体的に検討していたのだ。

 それは、「空と海での台湾封鎖」と「情報戦などを含む限定的な台湾攻撃」「空爆とミサイルによる大規模攻撃」「大部隊による台湾上陸作戦」という4つの可能性を示している。

 私は、もっともありそうなのは2番目の「情報戦を組み合わせた限定的攻撃」シナリオではないか、とみる。例えば、電力などインフラを支えるネットワークを破壊するだけで、相当な打撃を与えられるからだ。

 あくまで仮想のシナリオとはいえ、米国防総省が具体的に中国共産党を名指しして、公式文書で攻撃作戦を示すとは、尋常ではない。普通の外交関係にある国同士なら、深刻な外交問題に発展してもおかしくないところだ。

 だが、建前の応酬を繰り広げているような段階は、とうに過ぎ去った。米中両国とも「有事は時間の問題」とみているのである。

 だが、それに比べて、日本の危機感はあまりに薄い。

 先の国防総省報告書についても、多くのマスコミは「中国が2030年までに核弾頭1000発を保有する」という点を強調した。危機は「今そこにある」というのに、30年の核弾頭数を心配しているのだ。

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