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【日本の元気 山根一眞】「カーボンニュートラル=炭素輪廻」 大気中のCO2、産業革命前の1・5倍に (1/2ページ)

 10月31日から開催されていたCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)が11月13日に閉幕した。この間、ニュースで「ゼロカーボン」「カーボンニュートラル」という言葉を目にしない日はなかった。人によって「好み」が違うのか、菅義偉前首相やトヨタ自動車の豊田章男社長は「カーボンニュートラル」を使っていたが、2つの用語の概念は異なる。

 私は父の葬儀後、火葬場での待ち時間に外に出て、火葬場の煙突の先を見上げて悟ったことがある。父の肉体を構成していた30~40キログラムの炭素が今、CO2(二酸化炭素)となって大気中に拡散している。そのCO2はやがて光合成によってイチゴの一部となる。将来、そのイチゴを食べる私の体は、父由来の炭素で構成される。「輪廻(りんね)」とはこれか、と。

 地表の炭素資源、たとえば樹木は、燃焼や分解によりCO2に姿を変えて大気中に拡散するが、再び光合成によって樹木が育ち、また大気中に……。この「輪廻」によって地表と大気中の炭素の総量は常に一定に保たれている。これが「カーボンニュートラル」だ。「ニュートラル」とは「中立」、増えも減りもしないという意味だ。

 地球はこの一定の炭素量によって生態系を維持してきた。その炭素「輪廻」での大気中のCO2濃度は、産業革命までは280ppm(0・028%)だった。この濃度は、2リットルのペットボトルに落としたしょうゆ1滴よりも少ない超微量だ。

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