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高齢ドライバー免許返納の実情 地方では移動の足奪われ返納進まず、財政圧迫も 死亡事故ゼロは遠い目標か (2/2ページ)

 ただ、高齢ドライバーが返納できない事情もある。自動車ジャーナリストの佐藤篤司氏は「高齢ドライバーは、『いずれ返納しなければならない』という原則論は分かっていても、特に地方では移動の足を奪われることになり、返納がなかなか進まない現実がある。多くの人が免許を返納すれば、自治体の財政も圧迫されることになる」と話す。

 運転技術の衰えを認識しようとしない高齢ドライバーも少なくないという。ある現役警察官は「アクセルを踏み間違えて事故をした高齢者に限って、運転に自信を持っている印象だ。話を聞いても『ブレーキを踏みました』と話し、自らのミスを認めないケースも多い」と明かす。

 22年5月からは、免許更新通知が届いた時点から過去約3年間に、信号無視や逆走など11種類のうち1つでも違反をした75歳以上に運転技能検査(実車試験)が義務化される。検査は教習所などで受け、更新期限の半年前から繰り返し受検可能だが、不合格の場合は更新できなくなる。

 前出の佐藤氏は「運転技能検査の意義は大きいが、若者の事故も多い現実があるため、免許取得時から、運転が危険なものであることへの教育をもっと充実させることが重要だ。現在販売されている自動車には安全装置が付いているものも多いが、事故をゼロに近付けるには、長い年月を要するだろう」と指摘した。

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