【旬 People】自販機不況の中、前年比130%増 田村修さん

★JR東日本ウォータービジネス社長

2010.07.13


JR東日本ウォータービジネス 田村修社長【拡大】

 「自販機不況」といわれるなか、JR東日本管内の自動販売機を一括管理する同社は前年比130%のペースで売り上げを伸ばしている。販売の柱は、製造会社に関係なく売れ筋商品を並べるブランドミックスと、Suica対応機の増設。田村社長は旗振り役として、この戦略を推し進めている。

 まったく未知の領域へ踏み込むことにやりがいを感じるという。早大法学部を卒業してJR東日本に入社したのも「これから生活サービス事業分野を広げようとする可能性を感じたから」。まず、不動産部門に10年。そこからエキナカの飲料ビジネスに取り組む現在の会社に転じ、昨年6月、社長に就任した。

 チャレンジ精神の原点は、大学の探検部時代にさかのぼる。アフリカに恐竜の生き残りを探しに行き、マラリアにかかった。熱は40度。しかし、病院のある50キロ離れた街まで歩かなければならない。歩かずにとどまれば死あるのみ。もうろうとするなか、仲間から「平気か?」と問われ、振り絞った言葉が「やるっきゃないでしょう」。さんずの川の手前から引き返した「やるしかない」の精神が、ビジネスにおける肝の据わった姿勢の土台となった。

 同社では自販機ビジネスのほか、製造、販売するミネラルウオーターのブランド見直しにも取り組んだ。上越新幹線の工事でわき出した水を原料にした「名水『大清水』」ブランドを変え、2007年に「フロムアクア〜谷川連峰の天然水〜」を発売。反発も大きかったが、他社商品と同じ自販機に並べても負けないミネラルウオーターを育てるため、改革を断行した。

 実は、自販機の形そのものは昔から大きく変わっていない。「だからこそ改革の余地があると思います。もっと新しい形があるのではないか、自販機のイノベーションに取り組んでいきたいですね」。東京都出身。(久保木善浩)

 

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