アルゼンチンの青く輝く“氷河”に感激!

★ロス・グラシアレス国立公園(アルゼンチン)

2012.08.10


崩落直後の氷河【拡大】

 夏の暑い日にはかき氷が食べたくなりますが、私はかつて訪れた氷河の崩落を思い浮かべては暑さをしのいでいます。

 そこで今回はその名も「氷河」を意味するロス・グラシアレス国立公園を紹介します。この公園はアルゼンチンの世界自然遺産で、アンデス山脈の南端パタゴニアに位置し、南極、グリーンランドに次ぐ世界第3の氷河群です。

 氷河はその広がりによって氷床(大陸氷河)と山岳氷河に分けられますが、ロス・グラシアレス国立公園の氷河は南極やグリーンランドの氷床とは異なる山岳氷河です。そしてこの山岳氷河の地域では、冬の最低気温が比較的高いので氷が溶けやすく、氷河は溶けては凍る再氷結を繰り返しながら、速い速度で移動しているのが特徴です。

 中でもアルヘンティーノ湖に流れ込むペリト・モレノ氷河は、中央部で1日に約2メートルも移動するので「生きている氷河」と呼ばれ、気温が上がる夏には、ビルほどの高さの氷河が大きな轟音(ごうおん)とともに一気に崩落するシーンが見られます。

 さらにこのロス・グラシアレスの氷河の氷は空気をほとんど含まず、透明度が高いため、青い光だけを反射して他の色は吸収し、非常に美しい青色に輝きます。

 私はチリのパイネ国立公園から国境の町セロ・カスティーロを経由して公園の拠点エル・カラファテに行きました。ペリト・モレノ氷河の観光はこのエル・カラファテから多くの日帰りツアーが出ていますが、お勧めはやはり国立公園内にあるホテル「Los Notros」に宿泊して夕陽に照らされる氷河を鑑賞し、ホテルの氷河トレッキングツアーに参加することです。

 氷河トレッキングは船で氷河の南壁端に渡り、氷河に関する講義を受けてガイドの先導で氷河をトレッキングします。所々に大きな口を開けたクレパスがあって緊張しますが、限りなく青い氷河を踏みしめながらのトレッキングは生涯忘れられない思い出となります。

 また、クルーズ以外にゆっくり氷河を観察できる展望台もあって、ここから氷河崩落の瞬間を目の当たりにすると、崩れた後の氷河は他の氷河よりキラキラと青く輝き、思わず声をあげたくなります。

 しかし、この氷河の崩落と今の暑さを思えば地球温暖化問題を真剣に考えたくなります。「地球に優しい」という標語がありますが、私はむしろ人類はこれまで「地球に優しくされてきた」のではないかと思います。

 ■黒田尚嗣(くろだ・なおつぐ) 慶應義塾大学経済学部卒。現在、クラブツーリズム(株)テーマ旅行部顧問として旅の文化カレッジ「世界遺産講座」を担当し、旅について熱く語る。

 

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