催眠商法による被害 言葉の反復で気分を高揚させる手口

2013.04.09


コンサートの興奮に似た盛り上げ方にご用心(写真と本文は関係ありません、AP)【拡大】

 路上で声をかけて会場に連れ込み、日用品などをあげて消費者の気持ちを高揚させ、高額商品を販売する“催眠商法”の被害があとをたたない。

 昨年、東京都から業務停止命令を受けた業者は街頭でボックスティッシュなどを配り、客らを閉店中の飲食店へ連れ込み、食品や日用品を見せて「この商品がほしい人はいますか」と尋ね、「はい!」と手をあげた人たちに無料でそれらの商品を配る。生活必需品が次々にタダで手に入る喜びに、来場者たちの気持ちが高まる中で、高額な健康機器を販売していた。

 業者は、肝心な高額商品の話をする際、テンポよく言葉を繰り返して、場を盛り上げる。たとえば、店長は本命である高額商品を取り上げ「これは120万円しますが、安かったらほしい人はいますか」と手を上げさせる。

 そして来場者の手が上がったのをみると「今日来て下さった皆様のために、特別に一気に値引きします」と大声を張り上げる。すると周りにいるスタッフも「一気に値引き」と声を合わせる。店長が「60万円値引きします」と続けると、周りも「60万円値引きします」と叫ぶ。

 「半額になりました」「半額になりました」「これ位なら買えるかな、と思う人は手をあげてください」「手をあげてください」とスタッフは店長の言葉を繰り返す。催眠商法の会場では、リズミカルに言葉を反復しながら、気分を盛り上げてくる。

 これはさながら、歌い手が観客に手拍手を促すことで、歌い手と客席が一体になって盛り上がる音楽ライブ会場のような状況である。来場者らは冷静な判断ができない状況に追い込まれて、高額な商品を買わされてしまう。最近は販売会場を空き店舗だけでなく、一般の民家にして車を使って消費者を連れ込むこともある。

 催眠商法の業者に騙されないためには、過度に無料商品を受け取らないことが大切だ。もしもらっても「お返ししたい」と負債感を持つ必要はない。業者への感謝の思いは、彼らの過剰なサービスで作りあげられたものだからだ。

 ターゲットになるのは、中高年の女性がほとんどである。母親や妻が知らぬ間に、催眠商法の被害者にならないようにしておきたい。

 ■多田文明(ただ・ふみあき)1965年生まれ。ルポライター。詐欺・悪徳商法を数多く潜入取材。洗脳・カルトにも詳しい。9月に新著「おいしい話に、のってみた “問題商法潜入ルポ”」(扶桑社)刊行。

 

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