富士山“遥拝の旅”がオススメ 美しい雄姿が見える場所

★富士山と信仰・芸術の関連遺跡群

2013.05.24


富士山本宮浅間大社の本殿【拡大】

 「富士山と信仰・芸術の関連遺跡群」が自然遺産ではなく文化遺産としてユネスコの世界遺産に登録される見込みとなりました。6月に開かれるユネスコ世界遺産会議で正式決定した場合、富士宮市では7月1日の開山式に登録祝賀の提灯行列を行うそうです。

 そこで、今回は古い時代から愛されてきた日本一の山、富士山について考察したいと思います。

 富士山は天下に二つとない山という意味で“不二山”とも書かれますが、一説には「かぐや姫」に由来するといわれています。「竹取物語」で、かぐや姫は帝に「不老不死の秘薬」を渡すも、姫が月に帰った後、生きる希望を失った帝が日本で一番高い山の山頂でこの「不老不死の薬」を焼いたことから「不死山」という名前が生まれた。

 さらに帝の使者が「士(つわもの)を連れて山へ登った」ことから「士に富む山」すなわち「富士山」になったという説です。

 富士山は古くから信仰の対象で、その富士山を浅間大神として祀ったことを起源とする神社が浅間神社です。富士宮市中にある富士山本宮浅間神社は全国に1300あまりある浅間神社の総本宮で、江戸時代に徳川家康によって現在の社殿が造営され、また、家康の寄進をきっかけに富士山8合目以上をご神体として管理しています。

 境内には国の天然記念物に指定されている湧玉池(わくたまいけ)がありますが、かつて登山者はここで身を清める水篭(みごも)りをしました。そもそも富士山は活火山で荒ぶる「火の山」の顔もありますが、裾野には豊かな水を蓄えて、多くの湧水をもつ「水の山」でもあります。そこで火の山と化すことなくいつまでも鎮まりたまえと神水の湧玉池に近い浅間神社に祀られたと伝えられています。

 富士山は神体山(すなわち禁足地)であったため、遥かにその雄姿の見える場所からも遥拝(ようはい)されてきましたが、山宮浅間神社は籠屋と石段があるだけで社殿がなく、石垣で囲まれた遥拝が富士山の絶好のビューポイントとなっています。

 その東隣の村山浅間神社は坂上田村麻呂も参拝したという古いお社で、境内の傍らには「村山口」という細い山道があります。これはかつての富士山信仰に基づき、先達の掛け声を合図に上った富士講登山者の登山口でもありました。

 富士山の世界遺産登録で登山者も増えることと思いますが、私は麓の茶畑の傍らに立つ双体道祖神を巡りながら美しい富士を遥拝する旅をお薦めします。

 ■黒田尚嗣(くろだ・なおつぐ) 慶應義塾大学経済学部卒。現在、クラブツーリズム(株)テーマ旅行部顧問として旅の文化カレッジ「世界遺産講座」を担当し、旅について熱く語る。

 

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