警察の目を避けるためあえて人混みに呼び出す 母さん助けて詐欺

2013.06.25


あえて混雑する都心の駅前などに呼び出す手口も【拡大】

 息子や孫になりすました人物が、「オレだけど」と高齢者宅に電話して「会社の金を使いこんだ」「電車にカバンを忘れて会社の小切手をなくした」などの緊急事態を装って、金を騙し取るオレオレ詐欺の被害は、なかなか減っていない。

 このほか、架空請求、融資保証金詐欺、還付金詐欺を加えた4種類を総称して振り込め詐欺というが、警察庁が発表した平成24年度の振り込め詐欺の被害金額は、約153億6991万円と昨年度よりも40億円以上増えている。オレオレ詐欺も約105億2871万円と昨年度よりも15億円ほど多い数字になっている。

 近年、ATMで振り込める金額が制限され、また銀行側の詐欺に対する警戒の目が厳しくなり、詐欺犯は騙し取る金をATMで振り込ませるよりも、直接受け取る形にシフトしてきている。それは警視庁が振り込め詐欺の名称は時代に合わないとして、「母さん助けて詐欺」に改名したことからもわかる。

 しかしここにきて、受け渡しの手口が変わってきている。これまでは直接現金を高齢者宅に取りに行っていたが、家にいくと警察が待っていて逮捕される危険性があるため、詐欺犯は受け渡し場所を防犯カメラのない路上や公園にしてきている。

 さらに最近では地方に住む高齢者を電車に乗らせ、東京まで金をもってこさせ、人の往来が多い駅などで受け渡す手口も出てきている。

 新潟市内に住む70代の被害者は、息子を装った男から電話を受け「会社から借りたお金をすぐに返さなければならないので、電車で持ってきてほしい」と言われ、新幹線に乗りこみ東京へ行き、駅に呼び出され、現金を手渡してしまっている。

 緊急事態に焦る被害者は、目の前のことにしか頭がいかなくなりがちである。そこで、私たち一人一人の目が重要になる。

 今年に入り、金の受け取りをした詐欺犯が逮捕されているが、これは公園で高齢女性が若い男性に現金を渡すのをみかけた主婦が、警察に通報したことがきっかけになっている。

 もし私たちが振り込め詐欺らしき怪しい光景を目にしたら、躊躇(ちゅうちょ)せずに110番することが大事である。こうした周りの目で詐欺被害の芽をつむことができる。

 ■多田文明(ただ・ふみあき)1965年生まれ。ルポライター。詐欺・悪徳商法を数多く潜入取材。洗脳・カルトにも詳しい。9月に新著「おいしい話に、のってみた “問題商法潜入ルポ”」(扶桑社)刊行。

 

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