“冷え性”は女性の専売特許ではない。最近は冷え性に悩む男性が増えている。特に外気温が高まるこの時期、男性はクーラーの力に頼りがち。その弊害は、冷えを通じて全身各所に及んでいる。今回はそんな冷えを解消する「蒸しショウガ」の実力を検証する。
そもそも男性は、冷え性に対する認識が低い。中には「寒がりの延長」程度に考える人もいる。まずはこの辺りの認識を改めることが重要だ。
暑い夏は人間の体温調節機能が低下する。そこにクーラーの強烈な冷気が当たり続けると、体温が下がって肩こり、頭痛、腰痛などの不快な症状を引き起こす原因になる。
それだけではない。長期的に続くと、免疫力が低下して、かぜなどの感染症にかかりやすくなる。つまり、冷えは万病の元なのだ。
そこで今回、紹介する1冊は「病気にならない蒸しショウガ健康法」(石原新菜著、アスコム)。
ショウガが体にいいことは、小紙読者のお父さんたちも、何となく知っていると思う。ショウガにはジンゲロールとショウガオールという冗談みたいな名前の薬効成分が入っている。それぞれの効能を見ると、ジンゲロールには血行促進、殺菌、免疫力向上など。ショウガオールはダイエット、血液サラサラ、コレステロール減少、消化吸収促進、抗酸化、脂肪や糖質燃焼などがある。
しかし、生のショウガにジンゲロールは豊富に含まれるものの、ショウガオールの含有量はごくわずか。だがショウガを蒸すことで、ショウガオールの量を約10倍に増やすことができるという。
「そんな蒸しショウガの健康法を初めて紹介したのがこの本です」と力を込めるのはアスコム編集長の小林英史氏。
「著者の石原新菜さんは、ショウガをはじめとする漢方処方を中心とした治療を行っている医師。夏冷えで体が弱っている人や、夏バテ、熱中症の人が増えるこの時期に、自信を持ってオススメしたい健康法です」
ところで、蒸しショウガってどうやって作るんだろう。本書によると、非常に簡単だ。(1)ショウガの汚れを落とし、厚さ1ミリ程度にスライス(2)80度に設定したオーブンで1時間(3)細かく刻んで完成
これを飲み物でも食べ物でもなんでもいい、口に入れるものに振りかければ、蒸しショウガ健康法は成立する。小林氏によれば、蒸しショウガの粉末を焼酎に入れてもイケるとのこと。同じ飲むなら健康的に酔いたいものだ。
「ショウガは200種類以上ある漢方薬の7割に使われるほど、昔から知られた健康食。それでも、毎日食べようとすると何かと大変です。その点、蒸しショウガは粉末にできるので、保存も持ち運びも簡単。外食の多いサラリーマンにも簡単にできる健康法です」(小林氏)
どの会社でもそうだが、女性社員の大半は、日々、オフィスで冷えと闘っている。そんな時、冷えに理解を示し、その克服法である生ショウガ健康法の片鱗(へんりん)でも語って聞かせれば、「ちょっと、ワカッテルじゃない!」ということになって、OLたちの支持も取り付けられる…かもしれない。
モテるかどうかは別として、まずは今夏を元気に乗り越えるためにも、蒸しショウガについて勉強しておきましょう。 (竹中秀二)
■長生きするための「蒸しショウガの七大健康効果」
(1)糖尿病改善
(2)高血圧改善
(4)うつ病予防
(5)血液サラサラ
(6)便秘解消
(7)花粉症予防
(8)ダイエット効果